プリズンヨガサポートセンター（PYSC）では、受刑中の方々へ文通によるヨガ・瞑想の実践を継続的にサポートしています。刑務所内でのヨガ実践のために制作した「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」（ガイド）を希望者（受刑者）にお送りします。その後、お手紙のやり取りを通して、受刑中の方々が瞑想を含むヨガの練習を始めて、難しいと感じることや迷いを感じることを手紙に書いて送っていただきます。
そして、「パーソナルサポーター」と呼んでいるヨガインストラクターより文通を通して継続的にアドバイスを行うパーソナルサポートを提供しています。
パーソナルサポートは、社会福祉士、公認心理師の資格を持つパーソナルサポーターを中心に、ヨガ、マインドフルネスや犯罪学の知見に基づいて実施しています。
パーソナルサポートの流れ
受刑中の方が「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」を入手したら、それを見て実践してもらい、出てきた疑問やうまくいかないと感じることを自由にお手紙に書いて送っていただくことで、パーソナルサポートが始まります。
受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド
プリズンヨガサポートセンターを結成してまず取り組んだのが、オリジナルテキスト「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」の制作です。
受刑生活の中にも取り入れやすい練習や、長時間座ることで起こりやすい体の不調に対処するポーズの紹介など、一般的なヨガの教材とは少し違った視点が盛り込まれています。
2022年には、各パーソナルサポーターの得意分野を持ち寄って続編となる「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド2」を制作し、提供できる情報量が増えました。
送料として140円分の切手をお送りいただければ「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」を全国の刑務所などへ発送します。「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド２」は実践開始後に状況に応じて無料でお送りします。
ご家族などの支援者から被収容者へお送りする場合は、ご本人の受取の意思の確認が必須となります。詳しくはこちらのページをご覧ください。
プリズンヨガニュース
「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」をご請求頂いた方には、お手紙の受信の有無を問わず季刊のニュースレター「プリズンヨガニュース」をお送りします。
プリズンヨガニュースでは、季節に合わせた受刑生活に役に立つヨガ・瞑想に関する情報などをお届けしています。
受刑中のヨガ・瞑想実践者の声
プリズンヨガサポートセンターのパーソナルサポートを利用された全国の受刑者の方々は2023年3月時点で30施設60名です。これまでに受刑者の方よりいただいたお手紙から、一部を紹介します。
※それぞれの方のプライバシーを守るため編集を加えています
不眠症で朝早く起きてしまい、以前はそれでイライラしていましたが、今は布団の上に座って呼吸を整えてずいぶんイライラも収まってきています。集中力も高まり、『整った』という感覚があります。
Aさん
コロナ禍で引きこもりがちな中、ヨガや瞑想は自身を見つめ直すという観点からとても良いと思っています。幸い、懲役には自分を振り返る時間が沢山用意されているので実践を続けていきたいし、出所後も同様です。
Bさん
瞑想を始めて感じたのは、心地よさです。こんなにも温かくて気持ち良い空間があることに、瞑想が気づかせてくれてくれました。
Cさん
PYSCの皆様のお気遣いに支えられ、不自由で無味な筈の受刑生活に彩りと潤いが与えられることをありがたく思っています。
Dさん
座っている時、外で整列で待っている時など、腹式呼吸をする癖がつきました。すると自然に丸めた腰も伸び、呼吸を感じると体の中がキレイにリセットされた感じになります。
Eさん
「ガイド」を参考にヨガ・瞑想を始めて1年。運動時間にヨガのアーサナを同囚の方たちに教え始めました。みなさんが少しでも体の調子が良くなり、筋肉がつき、柔軟性が増して元気になり出所してくれたら嬉しい限りで、少しずつでも力になれたらという思いで日々教えさせてもらっています。
Fさん
パーソナルサポーターの声
プリズンヨガサポートセンターで活動するパーソナルサポーターは、社会福祉士、公認心理師などの専門資格を有するメンバーを中心に、多様なバックグラウンドを持ったメンバーで構成されています。その専門性を活かして、教材開発、ニュースレターの企画、SNSでの広報活動でも力を合わせています。
何度かお手紙をやりとりすると、刑務所内の規則違反が減り、懲罰を受けなくなったことや、身体の痛みやつらさが軽減されたことを教えてもらうことが在ります。私たちのお伝えしたいことがしっかり届いているのだと嬉しくなります。
受刑者さんからの手紙には、私たちのことを気遣ってくれる文章が添えられていることが多く、私たちも心が温かくなります。私たちからのお手紙も受刑者さんの心がほっとする瞬間になれば嬉しいです。